注意 

ここは鬼太郎受けのやおい小説のページです。
間違って開いた方、18歳未満の方、
鬼太郎受けに嫌悪を抱く方は観ないでお戻り下さい。

基本的に松×高ですが、この話では二人が体を売っている設定
ですので、別の男達を相手にするシーンもあります。
そういうのが不快な方は読まないで下さい。


















































松×高パラレル小説
春売り少年・高と松』



第五章「衝動」


何度か高と松は中庭で会い、話した。
友人というものが初めてできて高は嬉しかった。
少しづつ二人は打ち解けていった。
しかし親しくなるほど高はこの仕事が嫌になっていく。

ある日、松は高に聞いた。

「僕のこと…好き?」

高はドキンとした。
自分の気持ちが伝わったのだろうか?
そんなに顔や態度に出ていたのか?
すごく恥ずかしくなった。

「あ、あの…それは…もちろん…ですけど…」

真っ赤になってあわてる高。

「僕と一緒に…故郷に帰らないか?」

「え?」

松はそう言うと、高にそっと口付けた。
高はビックリした。

「!!」

「君が…好きだ…」

松に告白されて高は全身が熱くなり、心臓が張り裂けそうなくらい驚いた。
いてもたってもいられず、ついその場から逃げてしまった。
部屋に戻ってしばらくしてもまだ心臓がドキドキしている。

その直後も高には仕事があった。
しかし、高はこの時初めて客に本気で抵抗した。

「嫌です!離して下さい!!僕に…触らないで!!」

「なんだ?どうした?今日はそういうプレイか?」

客は笑って高を力ずくで押し倒そうとした。
が…

「うわあああああ!!」

次の瞬間、客は倒れていた。
一瞬何が起こったのか、高自身わからなかった。
手が少ししびれた感じが残っていて、客は気を失っている。

店の主は怒って、高を別の部屋に監禁した。
そこは窓一つなく、明かりは薄暗い赤い電球だけ、冷たい床の部屋だった。
高はそこで鎖に繋がれ、鞭で叩かれた。

「お客様にいったい何をした?!」

「っ…す…すみませ…よく覚えてない…ですっ…」

鞭の音は部屋に響いたが、息をきらしたのは店主の方で、
高はあまりダメージを受けてないかのようだった。

「…おまえは、ここを出たいのか…?出てどうするんだ?
誰かと一緒に暮らすのか?そいつはおまえを満足させられるのか?
何人もの男を相手にしてきたおまえが一人の男で足りると思うか?
おまえの体にはもうすっかり染みついているんだよ!
汚れているんだ!!」

その言葉は鞭よりも高の心を傷付ける。
確かに普通に生活したことのない高は不安がたくさんある。
誰かと愛し合う資格などあるのだろうか…

「それに、俺たちが許さない!おまえを奪った男を必ず地獄へ叩き落す!!」

愛する人に迷惑がかかる。
あの人が不幸になるのは何よりも嫌だ。
所詮許されない想いなのか…。
高は涙を零した。

「…わかりました…。」

高があきらめて大人しくなったので、再び部屋に戻された。

数日後、高は中庭で松と久しぶりに会った。

「高、どうしたの?この前、僕が急にキスしたこと…怒った?」

あの日以来、松とは会っていなかったので、心配させてしまったようだ。

「いえ…」

「何か…あったの?」

「別に…いつもどおりですよ…。
いろいろな男に抱かれて、よがって、あなたのことも忘れていました。」

「高…」

いつもと違う。ヤケをおこしているような口調。

「あなたはここを出て、僕と一緒に生きることを望んでいるんですか?
僕はたくさんの男の方の相手をしているんですよ?
僕とたいして変わらないあなたのような子供に、僕が満足するとでも思っているんですか?」

鼻で笑いながら話す高の言葉を、松は黙って聞いていた。

「だいたいあなたも抱かれる仕事じゃないですか。
抱くなんて100年早いんじゃ…」

急に高の目の前が真っ暗になった。
何かに巻きつかれて身動きがとれない。
体が宙に浮いてどこかに投げ出された。
そこは松の部屋だった。
そして自分に巻きついていた物が松の髪の毛だとわかった。

「松さん…あなたは…」



彼も普通の人間ではない。
髪を伸ばして動かす怪しげな少年。
いつも穏やかだった松が、何だか凄く恐ろしい。
不気味に光る目が高を捕らえて離さない。
それでも高は彼を愛していた。
愛しているからこそ拒絶しなければと想い、ひどいことを言った。
だから、何をされても受け入れるつもりだった。
嫌われてもう二度と会えなくなることも、覚悟していた。

「試してみる…?」

「え…?」

ニヤリと笑う松。
どういう意味か高にはすぐにはわからなかったが、この後
嫌というほどわかってしまう。



つづく







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