注意 

ここは鬼太郎受けのやおい小説のページです。
間違って開いた方、18歳未満の方、
鬼太郎受けに嫌悪を抱く方は観ないでお戻り下さい。

基本的に松×高ですが、この話では二人が体を売っている設定
ですので、別の男達を相手にするシーンもあります。
そういうのが不快な方は読まないで下さい。

今回は蒼×鬼です。


















































松×高パラレル小説
春売り少年・高と松』



第二章「高を愛する者」


高のお得意様で、高を本当に愛している客もいた。
高を引き取りたいと何度も願う、その男は風変わりな旅人だった。
角のような物が生えていることから、彼も普通の人間ではないとわかる。

「いらっしゃい。蒼さん。」

彼を迎える高はいつもより少し楽そうだ。
彼は他の客と違って高をまるで恋人のように扱う。
それが高も少なからずうれしかった。

「高、また痩せたんじゃないか?ちゃんと飯は食ってるのか?」

「食べてますよ。蒼さんこそ、ちゃんと規則正しい生活をしてるんですか?」

二人のやりとりはこの場にそぐわないほど親しげだった。
まるで兄弟のように、微笑ましい。

「高…もう一度考えてくれないか?俺と一緒に暮らすことを…」

「…それは…もうお答えしたはずです…」

「何故だ?俺が嫌いなのか?」

「いいえ…好きですよ。蒼さんは他のお客様と違います。」

「じゃあ、どうしてだ!?俺ならおまえをここから逃してやれるんだぞ!」

「僕は…ここにいたいのです…ここで…ある人を待ってるんです…」

そう。高は今まで無意識に誰かを待っていたのだ。
それをやっと少しづつ自覚してきたらしい。

「誰を待ってるんだ?…他に想い人でもいるのか?」

「わかりません…」

高は言葉を濁した。その意味が蒼にはわかったような気がした。
だが、それを言うのは残酷すぎる。

高は自分の種族がまだどこかに生き残っていると信じているのだ。
自分の肉親がいつか迎えにくると…それを心の支えに生きていた。
だからとてもそれを否定することはできない。
蒼はやるせなかった。自分ではこの孤独な少年を救ってあげることができない。

「高…俺は…俺はどうしたらいいんだ?おまえに何をしてやれる…?!」

「蒼さん…抱いてください…それだけで僕は…」

高が心からそう言えるのは客の中で蒼だけだった。
何だか安心できるのだ。

「くそっ…!」

どうにもやりきれない思いだが、蒼も高の体が欲しい気持ちは他の客に負けない。
その欲望に負けてまた高を抱くしかないことが悔しかった。

蒼は高をきつく抱きしめた。そして二人はベッドに倒れこみ、お互いの服を脱がし合う。
性急に絡み合い、求め合った。

「あ…は…早く…」

トロンとした目付きで誘う高に誘われない男はいない。
蒼は下半身の欲を、愛らしくも妖艶な少年に突き入れた。

「ああっ!!」

「高…っ…高っ…!」

繋がった部分が熱く、とろけるかのようなすさまじい快感に、
二人は溺れていく。

「あっ…あっ…はっ…んっ…!」

少年は毎晩のように男に抱かれているが、蒼が相手の時は本心を出せていた。

「あ、蒼さ…んっ…もっと…もっと…」

快楽に慣れた少年が淫らに求めるあられもない姿。
興奮せずにはいられない。
演技でそう口にすることも多々あったが、これは違う。

「僕を…めちゃくちゃに…して…」



目に涙を溜めながら微笑む高。
今は何も考えたくないのだろう。
孤独な少年の深い哀しみを、ほんの一時でも忘れさせてあげられるなら…
狂おしいほど愛しい少年に、愛情のすべてを激しい律動で示すかのように
蒼は高の中で何度も果てた。

気絶するように眠った高の寝顔に口付けを残し、蒼はまた旅に出る。


翌日、シャワーを浴びる高だが、今日は泣いてはいない。
蒼に抱かれた後は高は泣かなかった。
しかし…

「僕は…蒼さんに甘えてしまっている…
蒼さんの気持ちに答えることができないのに…僕は、最低だ…っ!」

商売上そんな思いを抱くことはおかしいのだが、高は蒼には
素の自分でいられるので、どうしても自分を責めずにはいられなかった。

高は思わずシャワー室の壁に拳を打ち付けたが、
血が出るどころか壁が少し崩れた。

今更だが、高は自分の力に驚いた。

「僕はいったい…何者なんだ…?」





つづき







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