5期キタネコショート小説 その2
「ランランラララララーン」 「鬼太郎―!!」 するとそこには、砂かけばばぁや子泣きじじぃもいて、 「どうしたの?」 「鬼太郎が寝ているんじゃ。静かにしておくれ。」 「え?鬼太郎が寝ているのはいつものことじゃない。 「き…鬼太郎…?」 「な、何?!鬼太郎が…小さくなってる!!」 「じつは昨日、戦った妖怪に体を幼少期に戻されてしまってのう…」 「その妖怪は降参させたんじゃが、この呪いだけは本人にもとけなくて、 「どのくらい?」 「3日ほどで元に戻るらしい。」 「3日…」 まあ、それくらいなら何も問題はないか…と、思って少し安堵するネコ娘。 「ふあ…」 「おお、目を覚ましたか?鬼太郎。」 「お父しゃん…」 目をこすりながら、舌ったらずで話す鬼太郎。 「…おじじ…おばば…」 それぞれの顔を見て言う鬼太郎に、まるで孫を見る 鬼太郎はネコ娘を見て聞いた。 「…お姉しゃん…だぁれ?」 「えっ、私のこと、覚えてないの!?」 「記憶も幼少期に戻っているようなんじゃよ。」 目玉のおやじに言われて、しかたなく小さい鬼太郎に優しく話しかけるネコ娘。 「…私は、ネコむすめ!鬼太郎のお友達よ!!」 「ねこむしゅめ…?」 首をかしげてそう言う鬼太郎に、ネコ娘は胸がキュンとなってしまう。 「か…かわいい…っ!!」
妖怪横丁にて。 「うわー、本当に体が小さくなってる!!」 「おまえと鬼太郎の子供じゃねえのか?」 「バカッ!!」 「でもよー、鬼太郎がこんな時に事件が起きたら大変だなあ。」 「何事もなければいいのじゃが…」
鬼太郎が小さくなった。それをどこからか聞きつけた妖怪がいた。 「奴を倒すなら今がチャンスだ!」
その夜、ゲゲゲハウスで寝ていた鬼太郎をそおっと 「こ、こらっ!!おぬし、鬼太郎をどこへ連れて行く気じゃ!?」 その者は振り返りニッと笑った。 「悪く思うなよ、おやじ。ただ鬼太郎をあの方の所へ連れて ネズミ男だ。 人気のない工場跡地。そこにぬらりひょんが、手下の朱の盆といた。 「ごくろう。」 「ヘヘ、では約束の金を…」 「うわー、本当に鬼太郎、小さくなってますねー!」 「これなら、ぬらりひょん様でも簡単に鬼太郎をやっつけられますよ!」 「こんなチビになった鬼太郎をやっつけても意味がない!」 「そうだな…。こういうのはどうだ?鬼太郎を私の手下に育てあげるのだ。」 「(…鬼太郎は3日で元にもどっちまうんだが…。ま、いいか。) 「ン…?ここ…どこ?おじしゃん達だれ?」 「鬼太郎、私はぬらりひょんだ。」 「お父しゃんは…?どこ?」 不安げに唯一の肉親である目玉のおやじを 「おまえの親父はこれからは私だ! 「おじしゃん…悪い人だね…」 「悪い人だけど、これからは味方になって一緒に 「ボ、ボクを返して…!家に返してよ!!」 「ああ、泣かないで!強い子は泣かないんだよ!!ベロベロバ〜!」 「やだぁ!帰る!!悪い人、嫌い!わああああっ!!」 「いたたた!!」 そして泣きながら、まだ毛針を放ち続けていた。 「うわあああ!鬼太郎!!オレまで刺すなよ!」 「うわああああああ!!」 「ぎゃあああ!」 「ちょっ…!金は!?うわっ!!鬼太郎、もういいかげんにしろよ! 電気をカミナリのように所々に落とす鬼太郎。 なぜか鬼太郎は髪の毛も伸ばし始めた。 「うげっ!!鬼太郎!!いいかげんにしろよ!!オレが悪かったよ!!」 そこへ、一反木綿に乗った砂かけばばぁと 「まずい!鬼太郎は妖力がおさえきれんのじゃ!!」 「ああなった鬼太郎を止められるのは蒼だけなんじゃが…」 「すぐに呼ぶのは無理じゃ!さっき呼子が呼んだら、 「き…鬼太郎…」 「あんた、またバカなことを…!!」 子泣きが鬼太郎に飛びつき、 しかし、鬼太郎は妖力を爆発させるかのような 「うわあああっ!!」 「鬼太郎…!」 「ネコ娘!無理じゃ!!今の鬼太郎は我を忘れておる!!」 鬼太郎の髪がネコ娘を絞めていく。 「危ない!!」「ネコ娘!」 「き…たろ…」 「(だれ…?ボクを抱きしめるのは…あたたかい…お母さん…?)」 「鬼太郎…っ、お願い…目を覚まして…っ!」 「ネコ娘―っ!!」 「(…お母さん…じゃない…これは…)」 もうダメかと思った時、ネコ娘は鬼太郎の唇にそっと自分の口を重ねた。 それを観た目玉のおやじとネズミ男は一瞬呆気にとられる。 次の瞬間、鬼太郎の髪の動きが止まり、元に戻っていく。 「ネコ…しゃん…?」 「鬼太郎…」 「なんと!鬼太郎が正気に戻ったぞ!!」 「ボク…悪いことしたの…?」 「ううん…もういいのよ…」 「ごめ…なしゃい…」 「泣かないで。鬼太郎…もう、大丈夫だから…」 「ほら、男の子がいつまでも泣いてたら、おかしいぞ!」 そう言われると、鬼太郎は涙をぬぐって顔を上げた。 笑顔で返事するネコ娘に、照れたように少し顔を赤らめながら笑う鬼太郎。 砂かけと子泣きはまだ気絶していたが、一反木綿に乗せて帰らせた。 ネコ娘はネズミ男の顔をひっかいた後、 「ねえ、ネコしゃん…」 「ボクが大きくなったら…お嫁しゃんになってくれる?」 「えっ!?」 「…ダメ?」 「ううん!いいよ!!私、鬼太郎のお嫁さんになる!」 「本当?嬉しいな、きっとだよ!」 あどけない笑顔で鬼太郎は約束した。 ハウスにもどった鬼太郎はスヤスヤと眠った。 それから数日後。 「おお、ネコ娘!鬼太郎が元の姿にもどったぞ!!」 そう、もう3日たったのだ。 「あ…なんだ…。せっかく小さい鬼太郎が ちょっと残念そうなネコ娘に、少しムッとした様子で言う鬼太郎。 「えっ?ううん!そ、そんなことないよ!! 「しかし、昔は蒼しか止められなかった鬼太郎の 目玉おやじの言葉に鬼太郎が 「鬼太郎、この3日間、小さかった時の記憶がないの?!」 「ん…何だかよく覚えてないんだ。」 ネコ娘は心の中で舌打ちをした。 意地っ張りで無神経な今の鬼太郎には手こずる。
その夜、ゲゲゲハウスでの鬼太郎と目玉おやじ。 「鬼太郎…」 「ワシも聞いておったぞ。」 「ネコ娘を嫁にするんじゃろう?」 「記憶にないなんて、嘘じゃろ?」 見破られていた。さすが父さん。 終わり |
アニメで小さくなった鬼太郎が少し出てきたのを見て、この話を書きたくなったのでした。
そのうち松×高とかでも小さい高山くんネタやろうかな?
おまけ 残念な高山くんであった。 |