クラキル小説

「Call×Call」





BL、クラピカ×キルアのカップリングが嫌いな人、18歳未満の方は読まないで下さい。


マンガの「愛情療法」の続きです。


キルアはゴンの自宅にいた。

ミトさんのおかげで本当の家庭というものを
体験できて、キルアはおだやかな気分になった。

しかし、そんな中でもふとクラピカのことを思い出す。

ゴンと一緒にいるのは楽しいけど、友情以外の絆が
芽生えてしまったので気にならないわけがない。



天空闘技場でもゴンと部屋が別になった時、
じつは夜、あの日のクラピカとの情事を
思い出し、一人で自分を慰めていたこともある。

ゴンの部屋で、隣のベッドでゴンが寝ている今も、
キルアはクラピカのことを考えていた。

「(クラピカもいろいろ大変だからな…
オレのことなんて思い出す余裕ないだろうな…)」

つい不安がよぎる。

「(オレのこと…ただのきまぐれだったのかな…。
もう…どうでもいいのかな…)」


ちょっとイラついてきた。

キルアは両腕で自分の目を覆い隠し、
小さい声でボソリとつぶやく。

「あれは…ただの遊びだったのかよ…」

今度は泣きそうになってきた。
恋してるみたいだ。
恋…恋しい人…

「(オレ…クラピカにすごくひどいこと言ったのに…
クラピカは…オレのこと心配してくれて…)」
【ホムペマンガ「危険人物」より】


その時、キルアのベッドがギシリと重みを増した
気がして、キルアは腕をどかして見上げる。
そこには…いるわけのない人が目の前にいた。

「クラピカ!?」

「キルア…私がそんないいかげんな
人間だと思うのか?」


キルアの上にいつの間にかクラピカが
覆いかぶさるようにしていた。
彼は優しい笑顔で、静かにささやいた。

「なっ…なんでここに!?」

ビックリして声を大きめに出してしまったので
あわててクラピカがヒソヒソ声で言う。

「シッ!ゴンが起きる…」

「………」


隣のベッドのゴンが身じろいだ。

「う〜ん…」

自分の口をふさぐキルア。

「…外に行こう…」

クラピカがそう言って、二人はそっと
家を出て、森の中に入っていった。

「クラピカ…どうしてここに?本当に…クラピカ?」

「私が偽者だとでもいうのか?おまえに会いたいと思ったら
ここにいたのだよ…。私も驚いた…。」

まるで幻のようで…キルアはクラピカの腕にそっと触れた。
するとクラピカはその手をとってキルアをひきよせ、抱きしめた。

「クラピカ…」

「会いたかったぞ…キルア…」

「オレ…も…」


泣いてしまいそうなのを必死にこらえるキルア。

唇が引き寄せあうように触れる。

「んっ…」

久しぶりのクラピカの柔らかい心地良い感触…
間違いない…本物のクラピカだ。


まだ一度だけの行為だったが、彼を全身で覚えている。

口付けが深くなり、力が抜けていく。

近くに大きな木のある所で焚き火をして、
二人は芝生のような草の上で寝転んでいた。

クラピカはキルアのランニングシャツをまくりあげ、
小さな突起に口付ける。

「あっ…」

舌で転がされ、もう片方は指で優しく触られて、
体をくねらせるキルア。

「相変わらず感度がいいな…」

クスッと笑って言うクラピカに
ちょっと赤くなってすねるキルア。

「こんなの…クラピカだけだよ…」

「え?おまえ…以前兄貴にされたと
言っていなかったか?」

「あれは…ただの拷問…。
なんかおもちゃつっこまれて痛くて気持ち悪くて…
だからオレ、すぐに感覚のスイッチを
消すことを覚えたんだ。」

「…そうだったのか…」

「自分でも忘れてたよ。無意識に、
クラピカの時はスイッチ切ってなかったから…。
だから…ちゃんとエッチしたのは
クラピカが初めてだったんだよ…」

「…私とするのは気持ち良いか…?」


「うん…ねえ…オレもクラピカを気持ち
良くしたい…口でしていい…?」


クラピカはフッと笑ってキルアの手をとり、
木の下に移動した。そこでズボンをずらし、
よりかかって座った。キルアはクラピカのモノを手にとり、
舌で愛撫し始めた。

「っ…」

しだいにそれは形を変えていく。

「気持ち…いい…?」

「ああ……っ」

息が荒くなるクラピカに自分も興奮してくる。

どうしても彼を先にイカせたくてキルアは懸命に唇と手も使い、
動きをさらに激しくしていった。

「んっ…キル…ア…」

「もうイク?いいよ…出して…」

「はっ…うっ…!」


クラピカがキルアの口の中に欲望を放出した。

キルアはそれを飲みほした。

「はぁ…はぁ…」

クラピカが少し息をきらしていた。
その扇情的な表情にキルアの中心も反応する。

「キルア…後ろを向け…」

「え…?」


キルアがクラピカに背を向けると
クラピカがキルアのパンツをおろした。

そして自分の濡れた中心にある液体を
指につけて、キルアの蕾に撫でるように触れた。

「あっ…!」

指は本数を増やし、奥に少しづつ入っていく。

「はっ…うっ…」


「そろそろ…いいか?」

頬を赤らめて振り返るキルア。

クラピカはキルアの腰を引き寄せ、向かい合わせに
自分の上に座らせる。同時にキルアの体に潜入していく。

「ああっ!!」

「…っ…苦しくないか?」

「ううん…大丈夫…」


そう言うと、キルアは自ら腰を上下に動かし始めた。

「んっ…」

クラピカも下から突き上げるように動き始める。

「あっ…!ああっ!はあっ…!」

二人は抱き合いながらその快楽に没頭した。


その後、キルアは木によりそうように立って、
後ろからクラピカを受け入れたりもして、かなり夜の情事は激しく続いた。

「あんっ…いい…よっ…」

「……おまえも…ずいぶん
たまっていたようだな…」

「…っ…あたりまえじゃん…あれから何日もほっとかれて…
こんな…気持ちいいこと…んっ…忘れられるわけ…ああっ!」


クラピカが前をしごきながら腰を激しく突き始め、
まもなく互いに達した。

3度くらい互いにイッたようだ。



星空の下、しばらく二人は横になっていた。

「…ずっと…こうしていられたらいいのに…」

キルアがつぶやいた。

「…毎日は身がもたん…」

「そういう意味じゃなくて!!」

「はは…冗談だ」


クラピカはキルアにそっとキスを落とした。

「こんなふうに…いつもおだやかな暮らしが
できるようになるまで…私達は
それぞれやらなければいけないことがある…」

「…うん…」


「信じて待つしかない…
その日が来るまで…」

「…うん…」

「…キルア?」


キルアは眠くなってきてるようだ。

「クラピカ…好き…
オレ…ずっと待ってるよ…」

「私もおまえが好きだ…
だから…待っていてくれ…」


キルアはそのままスーッと寝てしまった。
クラピカの胸の中で安心したように。

クラピカはその寝顔にもう一度キスをした。


月明かりの中、二人は夢心地だった。



次の日の朝、キルアはゴンの部屋にいた。

「キルア!朝だよ!!起きて!」

「う…ん…クラピカ…もう少し寝かせて…」

「クラピカ?」

「!?」


ガバッと起き上がるキルア。

「ゴン…あれ?クラピカは?」

「クラピカ?何言ってるの?キルア。
ここにクラピカがいるはずないじゃん。
ここはくじら島のオレん家。
寝ぼけてるの?」

「…夢…?」


会いたくてしかたなくて
あんなリアルな夢を見てしまったのだろうか…

キルアが着替えようとランニングを
脱いだ時、ゴンが言った。

「あれ?キルア、どうしたの?そのアザ…」

「え?」


キルアの体にはキスマークが
たくさん残っていた。

「(夢じゃねえ!!)」

キルアは外にかけ出した。

しかしどこにもクラピカの姿はなかった。

「…もう…行っちまったのか…?」

「キルア!ご飯だよ!!早く!」

「おお…」


キルアは一度振り返ってゴンの家にもどった。




そのころ、クラピカは…

「…なんということだ…
とても性欲的な夢を見てしまった…」

と、頭をかかえていた。


「私としたことが…キルアを思うあまり…」


二人は同じ夢を見たのだろうか?

しかし、クラピカの背中にもキルアの爪あとが
クッキリ残っていたことは誰も知らない…






終わり





本当はマンガで続きを描こうと思っていたのですが、
日にちがかかるので小説にしました。










クラキル裏トップにもどる