グーマク短編小説4 |
「マックス…大事な話があるんだ。」
ある日、夕食を食べた後、グーフィーはマックスに言った。
「大事な話…?」
「マックス…父さん、思い切って言うよ…!」
「う、うん…」
グーフィーは真剣な表情だったので、マックスは何事だろうと思った。
「父さんには、好きな人がいるんだ……!!」
グーフィーがハッキリとそう告白した。
マックスは、もしかして父さんはその人と結婚したいと言うのではないかと考えた。
「ずっと前から大好きで…」
ちょっと照れながら、でも緊張した感じでしっかりと話すグーフィー。
「毎日、胸が苦しくなるくらい考えちゃう…」
マックスは、父さんがその人を本気で好きなんだとわかった。
「ずっと一緒にいたいと思ってる…」
マックスは答えた。
「いいんじゃない?オレは別に反対しないよ。」
「本当っ!?マックス!」
「うん…オレは父さんの幸せを願ってるから…」
「ありがとう!マックス!!嬉しいよ!」
グーフィーはマックスを抱きしめた。
マックスの言葉に嘘はなかった。
でも正直ちょっと寂しい気もしていた。
ずっと親子二人で暮らしてきたから…
ここに他の人が一緒に暮らすのかと思うと、
不安がないわけではない。
だけど、父さんがそうしたいなら…
「で、その人とはいつから一緒に暮らすの?」
「え?もう一緒に暮らしてるよ?」
「えっ!?」
「生まれた時からずーっと一緒!これからもずーっと一緒!!あひゃっ!」
グーフィーはマックスをさらにきつく抱きしめた。
「……もしかして…父さんの好きな人って…」
「おまえに決まってるだろう?マックス!」
「……は〜……」
ため息をつくマックス。
「もお…今更改めて言うことないだろ?」
「だって父さんはマックスが本当に大好きなんだもん!」
口に指を当ててモジモジしながらそう言う父親に呆れる息子。
「まったく…オレは父さんに好きな女の人ができて、
その人と結婚するのかと思ったよ。」
「そおなの?ごめんね。」
「いや…べつにいいけど…」
マックスは内心ほっとした。
いつもどおりの父さんで…
何も変わらない…。
これからもこの家には
グーフィーとマックスだけ。
でも、いつかは父さんは本当に
誰かと結婚するかもしれない…と
マックスは思っている。
しかし、グーフィーは言った。
「…でも、父さんはきっと結婚しないよ。」
「え?なんで?」
「だって、これからも父さんの一番好きな人は、マックスだから…」
「……」
マックスは嬉しいような困ったような気持ちになった。
「マックス…マックスは?父さんのこと、好き?」
「…そ、そんなこと、言わなくてもわかるだろっ!」
「ダメ!ちゃんと言葉にしなくっちゃ!!伝わらないよ!」
ちょっと説教じみてきたグーフィーに、
しかたなく、マックスは言った。
「………スキだよ…」
「聞こえないよ?」
「…スキ…」
「もっと大きな声で!」
「んもう!好きだったら!!
オレは、父さんが大好き!
世界で一番好きだよっ!!」
もうヤケクソだったが、グーフィーは喜んだ。
その後、マックスはグーフィーからの熱い抱擁とキスの嵐から
逃げるのに、相当手こずることになったとさ。
終わる
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