グーマク短編小説
 



グーフィーがマックスに甘えるお話。(^^)
親子逆転という感じの所もある二人の関係が好きです。





その日のマックスの朝はいつもと違った。

キッチンに行くと食べきれないほどの朝食が用意されているはずが、
何もなく、誰もいないのだ。
そこにいるはずの父親が見当たらない。

「父さん…?」

彼の父親であるグーフィーは毎朝早く起きて家事をこなしていた。
失敗も多いが父と息子二人だけのこの家では、グーフィーは母親役もがんばっているのだ。

それなのにグーフィーはその日の朝はまだマックスに姿を見せないでいた。
おかしいなと思ったマックスは父親の寝室に向った。
ドアをノックして声をかける。

「父さん?起きてる?」

すると部屋の中からうめき声のような返事が聞こえた。
ドアを開けるとグーフィーはまだベッドの中にいる。

「マックス…」

弱々しい声で息子の名前を呼ぶ父親。

「父さん、どうしたの?!」

グーフィーの顔は赤く、目をトロンとさせていて、汗をかいている。

「ごめんね…目が覚めて起きようとしたらフラッとして、またベッドに戻っちゃった。あっひょ。」

「具合が悪いの?」

「頭が痛くて体が熱いんだ…」

「風邪かなあ?」

グーフィーのおでこに手をあてるマックス。

「うわっ!すごい熱!!医者を呼ばなきゃ!」

「医者!?いいよ!マックス!!お医者は嫌!」


注射されるのが恐くてあわてるグーフィー。

「でも…」

「父さんはただの風邪なんだから、少し休んでいれば治るよ!」

「そお…?でも、心配だな…オレ、学校休もうか?」


「マックスは早く学校へ行っといで!遅れちゃうよ?
父さんは隣のペグに電話して来てもらうから大丈夫。」

「うん…じゃあ、行くね。大人しくしててよ?」

「いってらっしゃい!」


マックスが部屋を出て行ったとたん、グーフィーの笑顔は消えた。
やはりかなりつらそうだ。

サイドテーブルの携帯電話を取ろうとしたが、
うっかり落としてしまい、それを拾おうとして
倒れてしまった。

側にあったスリッパを耳にあてて「もしもし…」と話し出すしまつ。
そしてそのまま眠ってしまった。

しかし、マックスが学校に出かける前にペグに話して行ったので、
後からペグが来て無事に世話してもらえたのだった。


一方、学校に行ったマックスだが、グーフィーのことが気になっていたので、
授業が終わると急いで帰ってきた。


キッチンに入るとそこにグーフィーがいた。

「父さん!!」

「お帰り。マックス。」


グーフィーはいつものように家事をしていた。

「ちょっと、大丈夫なの!?」

「ペグに薬を飲ませてもらって、少し休んだらだいぶ良くなったよ…
ほら、マックス。夕飯だよ。」

「うん…」

笑顔だが、まだ力ない感じのグーフィー。

「もういいよ、父さん。休んでなよ。」

「お片づけしなくちゃ…」


グーフィーはヨロヨロと洗い物をしようとしたが、フラッとよろけてしまった。

「父さん!!」

マックスが支えたら、その体はとても熱かった。
治っていないのに無理して動いたせいだ。
マックスはグーフィーを寝室まで連れて行き、ベッドに寝かせた。

「お願いだから、ちゃんと寝ててよ。風邪が治らないよ?」

「だって…家事をしなくちゃいけないし…」

「そんなのオレがやるよ!父さんは寝てて!!後で何か食べる物もって来るからさ。」

「マックス…」


息子の頼もしい言葉に一瞬目を輝かせるグーフィーだったが、

「…本当に大丈夫?」

と逆に心配されてしまった。

「大丈夫だってば!!父さんは何も心配しないでゆっくりしててよ!」

マックスは昔はたまに家事を手伝っていたが。最近はあまりしていなかった。
自分の部屋すらいつもちらかしたままなので、グーフィーが心配するのも当然だった。

グーフィーの用意してくれた食事を済ませた後、マックスは久しぶりにお皿を洗った。
途中から調子にのって踊りながらしていたので、一枚お皿を割ってしまった。

「あちゃ〜…」

調子にのりすぎたと反省しながら割れたお皿を片付ける。

「つっ…」

破片で指を少し切ってしまって、マックスはその指をしゃぶった。
ホウキとチリトリで破片を片付け、仕上げに掃除機で細かい破片も吸い取った。

「よし!ほぉら、オレだってちゃんと片付けられる!!」


なぜか自慢気にそう言って一人で満足している。

その時玄関のチャイムが鳴った。隣のペグだった。

「マックス、お父さんの様子はどーお?」

「ああ、うん、今ベッドに寝てるよ。」

「ミルクがゆを作ったの。良かったら食べてもらって?」

「ありがとう、ペグおばさん。助かるよ!」


病気の父に何を食べさせたらいいのか悩んでいたマックスは本当にペグに感謝した。

グーフィーの部屋にそれを持って行くと、今度はちゃんとベッドで大人しく寝ていた。

「父さん、ペグがミルクがゆを作ってくれたよ!食べる?」

「うん…ありがとう……食べさせてくれる?」

「…もぉ…しかたないなあ…」


ここぞとばかりに甘える父親に呆れつつも看病するマックス。
ゆっくり体を起こしてミルクがゆを食べようとあーんするグーフィー。
その時、マックスの指に傷があるのに気付いたグーフィー。
指をつかんで叫ぶ。

「マックス!この指どうしたの!?」

「あ、ああ…さっきお皿割っちゃって…ヘヘッ…」

苦笑するマックス。

「気をつけなきゃダメだよ!もぉ…」

グーフィーはそう言って少し血の出ているマックスの指をパクッとくわえた。
チュッと吸われて痛みを感じて顔をしかめるマックス。

「っ…」

「ちゃんと絆創膏を貼っておかなきゃ!」


グーフィーはベッドから届く位置にある棚の引き出しから絆創膏を取り出し、
その傷口に貼った。

「これくらいたいしたことないよ…」

「ダメダメ!小さい傷でもそこからバイキンが
入って大変なことになることもあるんだから!!」


親ばかを通り越している気がするがこの親子には日常茶飯事なことで、
すべては息子を愛する純粋な父の気持ちから来るかわいい行動である。

「わかったよ、それよりほら、ミルクがゆ冷めちゃうよ!」

グーフィーはミルクがゆを食べて、薬を飲み、またベッドに横になった。

「あ…風邪がうつらないようにマックスも薬を飲んでおいて。」

「えー?大丈夫だよ。」

「ダメだよ!ちゃんと飲んで!!」


「はいはい、わかったから、父さんは大人しく寝ててよ。じゃあね。」

そうしてマックスが部屋を出て行こうとした時、グーフィーが呼び止めた。

「マックス…!」

「ン?」

「ここに…いてくれない?」


まだ熱があるせいもあって涙目でそう言われてため息をつくマックス。

「もう…!子供みたいなんだから…」

「たまにはいいじゃない…」


いつもじゃないかと思うマックスだったが、ここは病気の父のわがままを聞いてあげることにした。
グーフィーが手をさし出した。ヤレヤレといった表情でマックスはその手を握ってベッドの横のイスに腰掛けた。



「ここにいるから、いい子でねんねして。」

「…はぁい」


そんな風に言われてグーフィーは少し照れたが、嬉しそうに目を閉じた。

マックスは改めてグーフィーの部屋を見渡した。
マックスの部屋と違ってわりと整理されている。
そして壁や棚の上などにはマックスの小さい頃の写真がたくさん飾ってあるのだ。
それをマックスは恥ずかしいと思いながらもしばらく懐かしそうに見ていた。

赤ちゃんのマックスをあやすグーフィー。
よちよち歩きのマックスをオロオロと心配そうに見守るグーフィー。
小さいマックスを抱っこしているグーフィー。
そしてマックスのあどけない表情の数々。
二人で仲良くはしゃいで遊ぶ姿。

まるで熱烈なファンのようにマックスの写真でいっぱいなのだ。
彼にとってマックスは何よりも大事な宝であり、天使なのである。

そんな揺るがぬ大きな愛で支えられているのだから、
マックスも本当は父さんが大好きなのだ。

ドジだけど、心配かけるけど、優しくて本当は頼もしいお父さん。
母親がいないことで不便な部分がなかったわけではない。
母親が欲しいと思うこともあった。

でも父さんがいたから、マックスもがんばれたのだ。
ベタベタしてくる父親をうざいと思うこともあるけど、
これだけ愛されているのだから憎めるわけがない。

「…早く良くなってよ。父さんが元気でいてくれなきゃ…困るよ…」

そっとそうささやき、マックスもそのまま眠ってしまった。
グーフィーの手をギュッと握ったままで…。



次の日、マックスが目を覚ますとベッドにグーフィーの姿はなかった。
肩にガウンがかけられていて、父の手の代わりにクマのぬいぐるみを握らされていた。

「父さん…?」

どこかで倒れてたりしないかと不安になり、マックスは父を探しに部屋を出た。
キッチンに行くとそこにはいつものようにグーフィーが朝食の用意をしている。

「父さん!」

「あ、おはよう!マックス!!」

グーフィーは笑顔で振り返った。

「…もう大丈夫なの?」

「うん、もう治ったよ。面倒かけてごめんよ。」


マックスはグーフィーのおでこを触った。
確かにもう熱はないようだった。

「でも、あまり無理しないでよ?風邪ぶり返すかもしれないし…」

「大丈夫だったら!…そうだ!!マックス、今日、一緒に買い物に行かない?」

「……」

「嫌かい?」


マックスは最近は二人で出かけることが恥ずかしくて拒否ぎみだった。
でも今日は…

「…行くよ!父さん一人じゃ心配だからね!!」

「あひゃっ!父さんもマックス一人に家事を任せるのは心配だからね。
いつまでも寝てられないよ!!」


言い返されてマックスも言った。

「それにしても、何とかは風邪をひかないって言うけど、父さんも風邪をひくんだねー。」

「ン?…こらあっ!マックス!!」

「アハハハ!!」



二人笑い合ってじゃれ合って、その後は一緒にショッピングや外食を楽しんだ。
今日は日曜日。仲良し親子が一日中、はしゃいで過ごしていましたとさ。





終わり









お互いを思い合う仲良し親子。

ちなみにマックスが握らされていたクマのぬいぐるみはもちろんこれです。



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