グーマク短編小説
 


グーマク親子のいちゃいちゃが好きでこんな話も書いてみました。
本当は漫画にしたかったんですが、時間かかりそうなので小説にしました。





「最近、マックスがツレなくて…こんなに愛しているのに…」

グーフィーがため息をついている。ここはお隣のピートの家。
紅茶をご馳走になりながら、グーフィーはピートに相談していた。


「おまえはかまいすぎなんだよ!子供なんざ、ある程度大きくなったらほおっとけばいいんだ!!」

ぶっきらぼうに答えるピート。そんなピートに反論するグーフィー。

「そんなっ…!ほっとけないよっ!!」

「追いかけるから逃げられるんだ。逆にそっけなくした方が相手の方から近づいて来るものさ!」

ピートが自信満々で更にそう言い切ったのでグーフィーも考える。

「…そおかなぁ?でも…」

「オレの言う通りにしろって!絶対向こうから来るから!!」

「うーん…」


「押してもダメなら引いてみなって言うだろ?」

そんな二人の話を横で聞いていたピートの奥さん・ペグは「恋の駆け引きみたいね」と思った。



その日の夕方、マックスが学校から帰宅した。

「ただいまー。」

グーフィーは夕飯の用意をしていた。

「お帰り。」

ただ、マックスの方は見ないようにして…。
そう、グーフィーはピートに言われた通り、なるべくクールに撤することにしたのだ。
しかし…

「あ、父さん、ごめん!オレこれからパーティーだから、夕飯いらないよ!!じゃあ、行ってくるね!」

と、すぐにマックスは出かけてしまった。

「…そんな…」

取り残されたグーフィー。キッチンで一人ショボンとしていた。

だが、夜遅くにマックスが帰って来た時も、
グーフィーはマックスと目を合わせず、最低限の挨拶だけで済ませた。


そんなふうにグーフィーが努力してマックスから少し距離をおいて数日がたった。

さすがにマックスもグーフィーの変化に気付き始めた。
学校の休み時間に親友のPJに話す。

「最近、父さんの様子がおかしいんだ。」

「どんな風に?」

PJはピートの息子。つまりマックスもグーフィーも親子で親子に相談している。

「なんかそっけないんだ…今まではうざいぐらいにつきまとっていたのに…」

「それで、マックスくんは寂しくなっちゃったと?」


PJがふざけた口調で言う。

「そっ…そういうわけじゃ…!
…ただ…父さん、オレのことさけてるみたいで…。」

「マックス、何かパパに悪いことしたんじゃないの?」

「うーん……この前買い物に行った時、
手を繋ぐの嫌がったことかなあ?
それとも一緒にお風呂入るの断ったことかなあ?」

「ハハ…」

苦笑するPJ。

「…父さん!、もしかして、好きな女の人でもできたのかな?!」

「え?」


突然突拍子もないことを言い出すマックスにビックリするPJ。

「それでオレが邪魔になったとか…」

「アハハ!そんなことありえないよ!!」


マックスは深刻に話すがそれがかえっておかしい。

「だって君のパパは昔からいつだって君のことが一番で…」

笑いながらPJはそう言ったが、マックスは真剣な表情のままだった。

「オレだってそう想うよ?でも…だったらなんで…」

いつもベッタリだった父親がまったく自分に触れない、顔もまともに見ないのだから、変だと思う。

それからもグーフィーはマックスに対して一線引いて接した。
マックスが一緒にゲームをやらないかと誘っても断った。

しかし、グーフィーもつらいのだ。
そんな父の気持ちも知らずに、
マックスはますます不安になっていた。

グーフィーは再びピートの家にいた。

「あ〜っっ!!もう何日もマックスとハグしてない!キスしてない!」

そうとうストレスになっているようだ。

「もう少しの辛抱だ、グーフィー!もうすぐあいつからものすごく甘えてくるはずだ。」

「確かに…この前は珍しくマックスから一緒に遊ぼうって言って来て嬉しかったけど…
それを断るなんて…うっ…うっ…」

「泣くなっ!それくらいのことで!!」

「だって…一つ屋根の下にいるのに、手も触れられないなんて…」


そんなグーフィーの言葉を聞いて、側にいたペグは
「まるで同棲し始めた恋人同士みたい」と思った。

そんな話をしている部屋に息子のPJも入ってきていた。

「それでかぁ…マックスがおじさんが最近おかしいって気にしていたよ。」

「ほら、見ろ!あともうちょっと我慢してろ!!」


「う〜ん…」

「PJ、このことはマックスには内緒だぞ!いいな!?」

「…は、はぁい…」


父親に睨まれて、PJはしかたなくマックスには内緒にすることにした。
ちょっと元気がないマックスに真相を言えないのはPJもつらかったが、
PJにとって父親・ピートは恐い存在でもあったので言いつけは絶対であった。

そんな中、マックスが街で行なわれたダンス大会で優勝した。
喜びいっぱいのマックスがトロフィーを持って家に帰ってきた。

「父さん!オレ、優勝したよ!!」

「おめでとう!マックス!!」


グーフィーも喜んだが…
マックスが手を広げてハグを待っていたのに、
グーフィーは駆け寄ったものの躊躇して寸前で立ち止まり、
軽く頭をなでただけだった。

「父さんはきっとマックスが優勝すると思っていたよ。
今日はお祝いしなきゃね。ご馳走を作るよ。」

「…う、うん…」


やはりおかしい。この状況でもハグしないなんて…。
マックスは嬉しかった気分もとたんに沈んでしまった。
その夜はグーフィーがご馳走を用意してくれたが、
グーフィーの態度はやはりよそよそしい。
食べ終わったころ、マックスは思い切ってグーフィーに話した。

「父さん…」

「ン?何だい?」

「…何があったのさ?」

「えっ?」


「ここの所ずっと変だよ!…オレのこと、さけてるだろ!!」

「そ…そんなこと、ないよ…」

「ウソだ!父さん、オレに隠し事してるだろ!?」


攻め立てられ、グーフィーはあせった。

「…好きな人でもできた?その人と再婚するの!?」

「ええっ!?」


急に妙なことを言い出すマックスにビックリするグーフィー。

「父さんがそうしたいなら反対しないよ!
それなのに急にオレのこと邪魔扱いするなんて、ひどいよっ!!」

「マックス、何を言って…」


マックスは顔を俯かせて言った。

「…父さんは…オレを捨てるの…?」

そう言われてグーフィーの表情が一変した。



「マックス!!」

グーフィーは怒っていた。
マックスの両腕をつかんで揺さぶりながら大きな声で言った。

「父さんがそんなことするわけないだろう!?
たとえ好きな女性ができたとしても、
マックスをないがしろにしてまで
自分だけが幸せになろうなんて思わないよ!」

「父さん…」


「父さんの幸せはマックスが幸せでいることなんだから…」


優しい笑顔でグーフィーはマックスを見つめた。
マックスの目からは涙が溢れていた。それも久しぶりのことだった。


グーフィーはすべてをマックスに話した。
するとマックスは顔をしかめた。

「へ〜…ピートおじさんに言われてねぇ〜。」

「ごめんよ、マックス。

…昔は父さん父さんってまとわりついてきていた
マックスが、最近そっけないことが多くなってきたから…」

「だってオレはもう小さい子供じゃないんだよ?父さん。」

「わかってる…だけど、ちょっと寂しくて…つい…」


ショボンとしているグーフィー。ため息をつくマックス。

「…たまにはね、甘えてみたくなるよ。小さい時みたいに。
でも格好悪いじゃん…」


正直に今の気持ちを伝えるマックス。

「そんなの気にしないで素直に甘えてよっ!!」

グーフィーが腕を広げる。

「恥ずかしがることないよっ!さあ、父さんの胸に飛び込んでおいでっ!!」

しかし、マックスはまだ躊躇していた。そんなマックスにグーフィーが言った。

「…ずっと我慢していてすごくつらかった…。マックスをこんなに愛しているのに…」

潤んだ瞳でそう言われて、マックスは観念した。

「父さん…」

マックスはグーフィーの腕の中に包まれた。
何日ぶりだろう。暖かいそのぬくもり。
とても安心する。

しかししだいにきつくなってきて、マックスが言う。

「父さんっ…苦しいよっ…」

「久しぶりだからねっ!今日はもう離さないぞ!!」

「ええ〜っ!?」

グーフィーはマックスをお姫様抱っこして運ぶ。

「一緒にお風呂入っちゃお♪」

「ぎゃ〜〜〜〜っっ!!」


隣の家までその悲鳴は聞こえた。
ピートはフンッとおもしろくなさそうにしている。
PJはホッとしている様子。
ペグは笑っている。

「やっぱり仲良し親子よねぇ。」



終わり







怒ったグーフィーと泣いたマックスを描きたかったのでした。

この親子の家庭の事情はまだまだ深いです。





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