注意 

ここは鬼太郎受けのやおい小説のページです。
間違って開いた方、18歳未満の方、
鬼太郎受けに嫌悪を抱く方は観ないでお戻り下さい。

基本的に松×高ですが、この話では二人が体を売っている設定
でしたので、別の男達を相手にするシーンもありました。
そういうのが不快な方は読まないで下さい。

とうとう最終回です。


















































松×高パラレル小説
春売り少年・高と松』



第十章「消去」


気が付いたら僕はまたあの店の拷問部屋に監禁されていた。
どうしてこんなことに…?
ああ…そうだ…松兄さんがいない時にネズミのような男がやってきて
蒼さんが店の人に捕まっていると聞いたんだ…。
僕の居場所を吐かせるために拷問されていると…。
それで僕はここに来てしまって…でも、
ネズミのような男は僕を連れて来たらお金をもらえるからと
嘘をついていたんだ…。

馬鹿だ…僕は…騙されて、またこの地獄の館に入ってしまった。

なんだか体がおかしい…少しづつ教えてもらっている能力も、全く出せない。

店主が客をたくさん連れてくる。
僕はまた汚れてしまうんだろうか。もう二度と嫌なのに。
松兄さん以外の人とは…。

松兄さん…助けて…!松兄さん!!

涙がたくさん流れる。なさけない…。



「…高!…高!!」

遠くで声がする。
兄さん?どこ?どこにいるの?

「高!高!!」

声が近くなる。

松兄さん…やっぱり助けに来てくれたんだ…
よかった…


「高!起きて!!」

「ン…?」

高は目を覚ました。
そう…全部夢だったのだ。
悪夢にうなされていた高を松が起こしたのだった。

「…兄さん…」

「大丈夫かい?ずいぶんひどくうなされていたけど…」

「すごく嫌な夢を見て…」

汗だくで顔色も良くない高を心配そうに労わる松。

「…またあの夢…?」

「はい…」

高はこのような夢を何度も見ていた。
今は何の不安もない幸せな生活をしているのに…

「高…」

「ごめんなさい…」

「もう大丈夫なんだよ?
君にひどいことをした奴らは僕が地獄に流したし、
これからは僕が絶対守るから…!」

「ええ…ありがとうございます…わかっているんですが…」

その様子を目玉のオヤジも心配していた。

そして翌朝、目玉のオヤジは決心した。

「松、やはりあれを使うしかないと思うんじゃ…」

「……」

高に内緒で二人はあることを実行しようとしていた。

「やはり辛すぎる記憶はその者をいつまでも苦しめてしまう。
いくら今が幸せでもゼロにはならんのじゃよ。」

「しかし…」

「そりゃあのう…生きてきた記憶はどんな物でも大事ではある。
じゃが、生きていく妨げになってはいかんのじゃ。
乗越える力を持つことが必要じゃが、
あの子には荷が重すぎる…」

「……」

確かに、高が経験したことは想像するのもおぞましい、
あまりにも酷なものだ。
長すぎた地獄の日々に、本人も半ば思考感覚が
麻痺しているようでもある。

「親のエゴだと思われてもいい。
ワシはもうあの子の苦しむ姿は見たくないんじゃよ…!」

目玉から大粒の涙がこぼれた。

「父さん…」

その気持ちは松も良くわかっている。
このままでは高はずっと悪夢を見続けるであろう。

松も決心した。
高の記憶を消すことを…。


忘れ菜草。
この香りをかがせると記憶の一部が消える。
妖怪の病院からもらってきた貴重な物だ。
高にとって一番辛い、あの店での記憶がすべて消える。
代わりに『人間の夫婦に育てられていたが、
あまり幸せではなかった』という記憶をすり込む。
幸せであったとするには無理があったからだ。

ついでにあの蒼という男と、陰陽師にも嗅がせて
つじつまの合うようにする。
知り合いではあるがそんな深い関係ではなかったとした。

高が眠っている時にこっそりとそれは行われた。

松は高の幸せだけを考えるようにした。
たとえただの兄弟になってもかまわないと…。
自分だけがこの苦しい現実に耐えて生きていこうと決めた。
高を愛する気持ちが自分だけの記憶になっても…。

数時間後、松も眠った。
その時…目玉のオヤジはあの忘れ菜草を松にも使ったのだ。
二人が兄弟以上の仲だとは知らずに、
ただ親として、松の心も楽にしてあげたくて…。

翌朝…目覚めた二人は、普通の兄弟になっていた。

「おはよう、高。」

「おはようございます。松兄さん。良く眠れました?」

「うん、すっきりしたよ。」

目玉のオヤジは心から安堵した。
二人の密な関係もゼロにしてしまったことなど知らずに。


高は妖力の特訓をしていた。
まだ松ほどうまく力をコントロールできないからだ。
ある日、高はかなり無茶をしてしまい、
ばてて寝込んでしまった。

「あれほど言ったのに…」

「す…すみません…。早く松兄さんの手助けがしたくて…」

「無理したら元も子もないだろ?」

「はい…」

布団で横になっている高に優しい口調でお説教する松。
高はとても気持ちが安らいだ。

「今からワシが薬をもらってくるよ。半時ほどかかるが、安静にしとるんじゃぞ?」

「はい…すみません…父さん…」

目玉のオヤジは一反木綿に乗って遠い所にあるという妖怪病院に出かけた。

松がそっと高のおでこに自分のおでこを当てた。

「熱はそんなにないみたいだね…」

「……っ」

しかし高の顔は赤かった。

「どうしたの?」

「…いえ…べつに…」

「……」

松は『照れてる?…かわいいなぁ…』と思ってしまった。

「あ、汗かいたみたいだから、着替えた方がいいよね。」

「え…じ、自分でやります…」

「手伝うよ、ほら。」

松は高の体を起こして、服を脱がせた。
少し汗で濡れている、なめらかな白い肌が見える。
松より華奢で…松はドクンと胸の鼓動を強く感じたような気がした。

それは高も同じだった。
男同士なのに、兄弟なのに、どうしてこんなに恥ずかしいんだろうと考えていた。

松が、乾いた布で高の体の汗を優しく拭く。
その手が胸の辺りにきた時、高は妙な声を上げてしまった。

「あっ…!」

その声があまりにも色っぽくて、お互いにビックリして照れてしまった。

「…ごめんなさい…」

「いや…」

何だか変だ。体が…。気分が…。
高はこのわけのわからない衝動に戸惑っていた。

「…松兄さん…」

「ん?」

「あの…これ…何ですか…?」

「え?」

高が困った様子で松に訴えてきた。
見ると高の下半身が形を変えていた。

「………」

「僕…変な病気なんでしょうか?」

涙目でそう言う高に、松は思わず噴出してしまった。

「あははは!」

「兄さん?」

ちょっとムッとして兄を見つめる高。

「ああ、ごめん…大丈夫…僕も同じだから…」

見ると松の下半身も変化をしていた。

「えっと…これって…その…」

「高…!!」

松は突然、高の唇に自分の唇を重ねた。

「ンッ…!?」

ビックリする高。だが、嫌じゃなかった。
口の中に松の舌が入ってきても…

「ンンッ…フッ…うん…っ」

鼻からぬける甘い声にますます高ぶる二人。
口を離すと息をきらして、高は恥ずかしげに松を見つめた。

「ま…松兄さん…」

「高…好きだよ…」

松は高を強く抱きしめた。
体がだるく弱々しい高を労わるように。

「僕も…好きです…」

「高…しても…いい?」

「え?何を…」

「君を好きにしても…いい?」

「……」

熱い視線でそう囁かれて、高は何となくこれからされることが
わかったような気がした。
記憶がなくなっているので、知識もさほどないのだが
人間界で、噂には聞いたことがあったらしい。。
男同士でもできるのだと。

「一緒に…気持ち良いこと…しよう?」

「で…でも…」

親のいぬ間にこんなことをするのに罪悪感を持たずにはいられない。

「悪いことじゃないさ。これは治療でもあるんだから。」

「治療?」

「そう。僕の妖力を君の中に注ぎ込むんだよ。」

「えっと…それって…つまり…」

何か言い訳のようなこじつけのような感じだが、
松はずっと我慢していたらしく、
もう押さえがきかないようだ。

「僕たちは子供の姿はしているが、もう何十年も生きているんだし。
僕はずっと我慢していたんだ。君を僕だけのものにしたい…!!」

「松兄さん…わかりました…。
僕も松兄さんだけのものになりたいです…!」

「高…!」

二人は結局記憶を消しても愛し合う運命らしい。
兄弟としてだけでなく、お互いを
深く求め合ってしまうのだ。

松は高の体のあちこちを唇と舌で愛撫し始めた。

「ん…っ…はっ…」

かすかに艶めいた声が漏れる。

指で胸の飾りをなぞるように触れると、高はたまらない様子で体をくねらす。

「あっ…ふっ…」

高の反応が楽しくて、松は夢中になっていった。
その尖りはじめた突起に唇を寄せ、チュッと吸う。

「あうんっ!」

高い声を上げた高に微笑む松。

「フフッ…かわいいね…」

そう言われて高は恥ずかしくて、恨みがましく松を見つめるが
その表情も誘っているようにしか見えない。

「高…ここ、すごいよ…」

「あっ!!」

松に急所を握られてさらに高い声が出てしまった。
松はそれを上下に摩る。

「あっ…あっ…だ、だめ…っ!」

「いいよ…イっても…」

「んんっ…!」

あっけなく松の手の中で達してしまったことが恥ずかしくてしかたがない高。
息を切らして赤くなっている。
そんなことはおかまいなしに、今度はその液体を指に塗りつけて高の秘所に触れる。

「やっ…!」

高は思いもしない所に指が入ってきてビクッとする。

「あっ…やっ…まっ…松に…ああっ…!」

「僕だけのものになりたいんだろう?」

「んっ…なり…たい…で…すっ…」

「だったらちょっとがまんして。
ここをならしておかないと、できないから…」

「う…」

高はもしかしてとは思っていたが、やはりここを使うのかと驚いた。

二本の指が入るくらいなれてきた所で、松は指を抜いた。

「うんっ…」

ホッとした高だが、すぐにもっと異物感を感じることになる。

「高…力を抜いて…」

松はそう言うと高の中に自分の物を埋め込み始めた。

「ひっ…!あ、あ…っ…いっ…!!」

涙があふれている高が痛々しいが、もうここで引き下がる訳にいかない。
松は高の力を抜くために一度達したそれを擦った。

「あっ…うんっ…」

再び固くなってきたそこに意識が集中する。
快感で力が抜けたその時、松が深く入ってきた。

「ああっ…!!」

「高…好きだよ…高…」

松はそう言いながら、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「ふっ…うっ…ああ…っ…んっ…」

しだいに馴染み始めたのか、高は痛みより快感の方が大きくなっていく。

「に…兄さん…何か…変ですっ…」

「どう…?高…僕を…感じてる…?」

「はい…っ…松兄さんの…すごく…熱くて…あっ…」

「気持ちいい…?」

「んっ…いい…ですっ…あっ…ああっ…」

松は腰の動きを早めた。

「一緒に…イコウ…?」

「んっ…んっ…あっ…ひっ…!」

激しく揺さぶられて凄まじい波が押し寄せてくる感覚。
二人は共にその何とも言えない妖しい魅惑の世界に溺れていった。
そして取り憑かれたかのように何度もその行為を繰り返し、
やがて疲れて眠りについた。

しばらくして二人は目を覚ました。
まだ横になったままの体制で、松は照れている高を優しく抱きしめ、そっとキスをした。
高が松に聞いた。

「松兄さん…誰かとしたことあるんですか?」

「え?」

「だって…あんなこと…できるなんて…」

顔を赤らめながら少し口を尖らせて高は言う。
確かに松が仕方を知っているのはおかしい。
あの記憶はないのだから。

「ハハ…初めてだよ?ただ…」

「ただ…?」

「高を好きになってから、秘かに想像してたんだ。
こんなことをしてみたいなあって…」

「……っ」

また顔を真っ赤にして恥ずかしがる高。

「高こそ、本当に初めて?腰ふったりして…」

「初めてですよ…!あんなimage42/kita/matutaka/zin399.jpg…すごいこと…」

「ふふ…すごく感じやすいんだね…」

「もおっ…言わないで下さいっ…!」



いちゃつく兄弟はそれからずっと、父の目を盗んでは密かに愛を育んでいる。
優等生タイプの兄弟がこんなことをしているとは
思ってもみない父親は筋金入りの親バカであろう。

記憶は消しても想いは変わらない。
本当に求めてやまないものはまた求めてしまう。
二人が幸せで、そんな二人を見守る者をも幸せになれるなら、
それはどんなことであろうと、正しいのだ。

ここは隠れ里、自由な妖怪の世界。
いつまでも二人は仲良く暮らしましたとさ。


終わり







裏トップにもどる